何のために
過疎化・高齢化で失われるあらゆるモノ(人・文化・環境)を再生させ、守ることはとてつもなく難しい。地球規模での長い歴史から見ればそれもまた運命であり、逆らえない流れのようにも思えるのだ。
人生の終活のように、過疎化・高齢化の地域で生まれ育つ者もまた、地域の正しい終活を考える時期にあるのかもしれない。幼いころに見た美しい景色やおいしいモノ、人のあたたかさや伝統的な行事も失いたくない大切な記憶だ。
この大切なモノをすこしだけ、「おすそわけ」したい。それにより、ここにあるわれわれの大切な記憶が他の誰かと分かち合えることを期待している。
誰のために
地域の主役は高齢者だ。高齢者の活躍なくして大切なモノをお届けすることはできない。
おすそわけ合同会社は、高齢者がその知識と経験とすこしのパワーを集結し、われわれの大切なモノをそれを求める人に届けることを支援する。われわれはポックリいくその日まで、生き生きと楽しみ、少しだけ社会に貢献する。
地域を離れ首都圏で故郷に錦を飾るべく日々奮闘する息子や娘、孫への仕送りかもしれない。もしくは、田舎に思いを寄せ心豊かに暮らしたいあなたのために活動している。
どのように
このあたりの地域で「おすそわけ」と言えば、食べきれないほどの旬のモノを近所に配ること。そのまま腐らせてはもったいないということで、たくさんの旬のモノがご近所に配られる。しょっちゅう軒先に無造作に置かれていた頃を記憶している。その日の食卓は、もちろん前菜から汁物、主菜まで「おすそわけ」づくしの料理となる。
「おすそわけ」というありがたい慣習と言葉を拝借し設立されたおすそわけ合同会社。すくなくともいただくお代の価値よりたくさんのモノをお届けしたい。